わさびさんの日記

醸造や地域の魅力発信、ワインについてなど。日記もね。

醸造工程「櫂突き」

9/9(土)午前、「櫂突き」という作業を行いました。仕込中のモロミに酸素を供給するため櫂で突き混ぜる作業のことでありますが、下の写真、小さな1,031Lのタンクがあります。これを赤い柄の長い棒(先端が平べったくなっており、船をこぐ櫂のようなもの)を使って、上下をかき混ぜる作業です。底の方にワイン(アルコール化した葡萄液)が溜まって上側に葡萄の果皮が溜まってしまうため、上下を入れ替えるようにかき混ぜてやることでアルコール化を促進させる作業になります。

 

 

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下の写真はかき混ぜる前です。露出を高めにして撮影していますが、表層は結構固まっている状態です。まるで南極の氷の大地のように。上下を入れ替えるように櫂突きを行うとアルコール化が促進され、液の温度が高くなりボコボコと湧いてくるのがわかります。お酒は弱い方ではないのですが、甘く強く咽せ返るような心地よいアルコール臭がそこの方から湧き上がってきます。

 

品種によってもこの果皮の色具合や、糖化の度合い、香りが全く違うのでそこも面白い部分なのでしょう。

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今をときめく赤ワイン品種、ビジュノワールです。

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またこちらは2,000Lタンク(ステンレス)ですが、こちらはタンクが大きすぎて櫂突きができないので、タンクの底の部分にある蛇口にホースを繋ぎ、ポンプの力で上からぐるりとワインを循環させることで櫂突きと同じく上下をかき回してあげています。写真で見るとわからないですが、循環させることでもうもうとアルコール臭が湧き上がり、咽せ返ります。メガネくもります。

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また午後は精鋭たちが鳥居平メルローを収穫しておりました。台湾から商談相手様ご一行が来日しており、そちらの対応に追われていたため、残念ながら今回の収穫作業には参加しておりません。