わさびさんの日記

醸造や地域の魅力発信、ワインについてなど。日記もね。

勝沼ってところ

2017年8月、甲州市に引っ越してきました。いま甲州市民。勝沼に住んでます。去年まで、すなわち東京都民だった頃は「勝沼」のイメージっていうか知ってることといえば

 

①中央高速で峠のトンネルたちを抜けて甲府盆地が開ける瞬間の「目の前、開けたよ」の瞬間の町で「日本一桃の里」って書いてある看板(塔みたいなの)が書いてあるまでのところ(書いてあるのは一宮町だから笛吹市だよね?)くらいの認識。認識低くてごめんなさい。

②葡萄の町ってこと。中央高速から見える景色は葡萄の棚だらけ。

甲陽鎮撫隊甲州勝沼の戦い

 

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《鳥居平の自社圃場からの眺め》 左手中央の丘の上に見えるのがかの有名なぶどうの丘です。鳥居平という地名はまた改めて記事書きます。見渡す限り葡萄棚が綺麗です。

 

そんなものです。

 

来てみてわかったことは甲州葡萄の発祥の地だということ。甲州葡萄と言われてもそもそも葡萄なんて東京の人間にとっては高級果物です。葡萄の発症が山梨県らしいってことは知っていましたがその起源は知りませんでした。歴史って面白い。そして発祥の地と言いながらその起源については諸説あるようで、大きな説が二つあるようでね、一つ目が雨宮勘解由説。文治2年(1186年)上岩崎の雨宮勘解由説(かげゆ)が自生の山葡萄と異なる蔓植物を発見。自宅に持ち帰り植えたところ、5年後にやっと甘く結実した種が「甲州」であったという説。壇ノ浦の戦いで平家が滅亡したのが1185年でしたよね、1187年といえばヒッティーンの戦いでアイユーブ朝サラーフッディーンによりエルサレム王国の十字軍が壊滅したのがこの年でした。大丈夫ですか?日本史と世界史の授業を思い出してくださいね。第3回十字軍遠征の前ですよ。

 

もう一つの説が行基説。雨宮勘解由から遡ること500年あまり、奈良時代の偉いお坊さん「行基」が修業中、夢枕に立った右手に葡萄を持つ薬師如来の姿を木彫りにして今日の柏尾山大善寺に安置したところ、葡萄の樹を発見。これを薬草として育てたのち村人にも広まり、「甲州」となった説。行基大善寺を建立した際に夢枕の出来事をもとにたどり着いた葡萄の木を発見したっていうことみたいですが…。500年遡るということで仮に686年とした時には天武天皇崩御。第41代天皇持統天皇がみたいなこと言っちゃってます。600年代は日本史的には有名な出来事がたくさんありました。607年の遣隋使に小野妹子さん登場します。622年厩戸皇子聖徳太子)亡くなりました。645年大化の改新です、中臣鎌足さんや中大兄皇子さんが蘇我蝦夷・入鹿を誅しましたね。690年には唐が周になりました、697年にはイスラム帝国北アフリカ全域を配下に収めます。比べる歴史が壮大でいいですね。あ…ほら、柏尾山って出たじゃないですか。これが甲州勝沼の戦い新撰組改め甲陽鎮撫隊が本陣にした柏尾山ですよ。大善寺はそこにある葡萄発祥の地で有名なお寺です。歴史はつながっていますね。かろうじて覚えていた歴史もありますが調べた歴史もあります。

でもね、甲州葡萄はDNAを調べたところ欧州原産のものと同じみたいなんですよね。結構おかしなことになってきますよね。だって欧州から初めて日本にやってきたのはマルコポーロってことになってますよね。まあ、輸入って考えをせずに自生って考えれば別に不思議はないんですけどね。いいんです。元々は欧州葡萄と同じ葡萄みたいだよってことが言いたいだけなので。

 

そういえばちょっと脱線させてください。葡萄といえばパミスって知ってますか?英語でいうとPomaceって書きます。ワインを作るときに葡萄の梗や果実を破砕して搾るんですけどその際に果皮や梗が余るじゃないですか?その絞りカスをパミスっていうんですけど、葡萄って美容成分がめっちゃ入ってるんですよ。アンチエイジングとかポリフェノールとかそーいう単語に最近敏感です、お肌はとうに曲がり角アラフォーの悲しい性でござる。

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ちょっと気になったんで調べたらすぐに出てくる嬉しい世の中。このサイト、葡萄の枝から液が垂れてる写真があるけどあれほんとなんですよ。葡萄の木って乾いているように見えて実はめちゃくちゃ保水しているんです。保水っていうと水分と思っちゃうけど、いわゆるグレープオイル的な油分も詰まっていて、それが証拠に、6月〜7月にかけて葡萄の木や枝を剪定(芽かきっていいます)するんですけど 切った枝が全然燃えないの(苦笑)。葡萄農家さんが多いこの地域では伐採した枝たちも病気を防ぐために燃やして処分する暗黙のルールがあるんですけど、これが燃えないんですよね困ったことに。バーナー近づけても火がつかないんです。つまりそれだけ潤ってるってこと。すごいよね。

 

 

ええと、なんでしたっけ。

 

 

あ、勝沼町のいいところー

のんびりしてる(風景がのどか)。基本的に勝沼町の大半の人は葡萄か桃かワインを作ってます(偏見あり)。農家さんは朝早いので人々までがのんびりしているなんて私は言ってません。風景が緑豊かで見渡す限り葡萄棚が見えて好きです。

 

ぶどうの丘っていいネーミングですね。あの駅から見える丘です。勝沼ぶどう郷駅、なかなか乙(シャレが利いている様)なネーミングの駅です。JRの駅には地名と名物を掛け合わせた液が多く存在しているのですがここはその嚆矢となった記念すべき駅です。

 

よくないところー

・・・

よくないところ、まあいろんな意味で擦れてないところとか?あとお昼ご飯食べるところが少なすぎる…ですかね。あくまでブログ主の個人的な感想です。いいんです。大丈夫です。お昼ご飯はお弁当作ればいいんですし。自炊万歳。

 

そだ、勝沼朝市って知ってますか?毎月第一日曜日に勝沼町ぶどう橋前の広場で開催される朝市です。残念に思ったのは朝どれ野菜や果物は並んでないんです。あとワイン売ってる店もないですけど(朝市には)、その会場の奥でワインが試飲できるワイナリーがあります。無料試飲も有料試飲もあります。年中無休です。朝市会場の隣に勝沼園さんっていう観光農園があります。その先、日川沿いの道を奥へ奥へと進んでいくと東夢ワイナリーがあります。10:00〜16:00までショップでテイスティングできます。6本買うと送料無料になります。しかも8/31までゆずワインがかなり安くなっています。

 

あれ、なんか変な方向に流れましたね、えーと勝沼ってこんなところです。のんびり田舎です。東京出身なので御田舎に見えることは許してください、悪気はないです。でもそーとーいい場所です。来ても損はしないです。少なくとも私は来てよかったって思ってます。

 

わかんない?

じゃあ、テイスティングしにきてみてよ。

 


www.toumuwinery.com