わさびさんの日記

醸造や地域の魅力発信、ワインについてなど。日記もね。

樽開けでした

日本でワインの時期って聞くとなぜか10〜11月っていうことになっちゃってますよね。デラウェア収穫されたの今年は8/7でした。アジロンダック収穫されたのが8/21~25くらいで醸造したのが8/26でした。甲州の収穫はずっとずっと後です。10月です。前に書いたかもしれませんが、後から生る品種の方が総じて美味しい、みたいです。結構ワインって作るのに時間がかかるんですっていう話。

 

葡萄収穫したら除梗破砕して搾汁します。このあと発酵させます(白ワインは10℃~15℃、赤ワインは25℃程度で1週間~2週間)。 発酵によってぶどう糖はアルコールと炭酸ガスになり、どの程度の糖を発酵させないで残すかによってワインの甘口、辛口が決まります。酵母は急速に極低温に冷やしたり、高濃度のアルコール分を加えると活動を止めたり死んでしまうので、望みの残留糖度にして発酵を止めます。ロゼワインは赤ワインと同様にぶどうの皮も果肉も種子も一緒に発酵させますが、発酵液が適度な色になったところで、皮と種子を取り除き、さらに発酵を続けます。そして仕込み→オリ引き→熟成(半年間くらい〜)→ブレンド(もちろん単一の原料からの場合はしません)→低温処理→濾過→瓶詰め→コルク→ラベルを貼って出荷または販売となるのですが

 

結構手間暇かかるんですよ、ワイン。んでいろんな種類を作業場で行なっているのでこれからの時期は予定がパンパンです。人員も少ないのでかなりパツパツです。工程に時間をかける(かかる)のは作業自体は昔から変わらずシンプルな工程だから。潰して絞って酵母で発酵させてアルコールにして雑菌増やさないために酸を入れて、寝かせて風味を増して香りがついたら沈殿したオリを除けて濾して瓶詰めして売る。ね、シンプルでしょ。

 

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今日は去年醸造したやつを樽に入れて半年くらい、熟成させてたやつをステンレス製の保存容器に移す作業。こちら醸造部長、私ではないので顔が隠れてる写真を探すのが大変でした。ピノ・ノワールカベルネ・ソーヴィニヨン

 

樽から吸い出して、下の濾過機を通してクリアになったものをステンレス容器に移しているところ。こんなにたくさんの濾紙(薄い紙ではないけど繊維を貼り合わせて1cmくらいの厚みのものを12枚通してます)を通すのだから素晴らしいものです。

 

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下に置いてある(右側の)ステンレスの容器にはろ紙の間から漏れ出たワインと最後に残ったオリなどの沈殿物を混ぜたままの最後の濃ゆい部分。これはこれでこのまま冷蔵容器にしまって上澄みを使用します。

 

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どっちがどっちとは言いませんが、樽から出して濾過して出てきたものをすくい取っただけの新鮮な熟成ワイン(なんじゃそりゃ)。はい、試飲させていただきました。

 

これが嬉しい。というかすべて勉強なので真剣に味わいます。日本のワインってあまり好きじゃなかったんですよ〜南アや豪州のワイナリーで樽から直接ついでもらったりするの飲んだりナパやソノマの味わいに比べてもなんだかなーって思っていたんですけどよかったこの歳で美味しい日本のワインに出会うことができて。この先楽しく暮らしていけそうです。

 

隣の畑ではうちの大家さんが、シャインマスカットと甲斐路の摘粒してました。さて、大きなプロジェクトが動き出しました。いや、もともと動いていたところに私が入ってきただけですけど、いろいろ任されておりめまぐるしい日々を過ごしています。